新型コロナ以降、現地調査はできなかった。担い手たちは、活動は制限されたが、太鼓を打つことの意義を考え、グループの歴史を知り、他と繋がる意義を考える期間ともなった。本研究の特徴は、論考に関連する資料や、映像音響のデジタル化資料を、研究代表者と担い手たちとが共有してきた点にある。その結果本研究には、(1)太鼓音楽の記録を残すという学術的な意義、(2)担い手自身が自分たちのグループの歴史を知ることで、太鼓音楽の社会的=文化的意義を考えることができる、という二つの側面があるといえる。なお、古い音響資料の共有により、消えていたレパートリーを復活させたという事例もみられたことを付け加えておきたい。
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