研究課題/領域番号 |
19K00136
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
齋藤 桂 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 講師 (20582852)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 股旅 / やくざ踊り / 音楽 / 映画 / 大衆小説 / ビート・ジェネレーション |
研究実績の概要 |
昨年同様今年度も、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当該芸能の現地調査を行うことはできず、文献の収集・精読による手法を中心に研究を行った。 文献では主に、映画雑誌において股旅ものがどのように評価されているかを中心にして調査を行った。特に、雑誌『マキノ(映画)』については重点的に調査をし、股旅もののキャラクター造形において映画が果たした役割について検討を行っている。 また、日本以外の事例を参考にすべく、アメリカにおける移動の表象とその文化的背景について考察を行った。この件について、副次的な成果として戦後アメリカのビート文学における東洋思想の影響について論じた論文「The Beat Movement and its Asian Influence as an Alternative to the American Dream」を刊行した。 さらに、戦後に流行したという股旅ものを扱った舞踊「やくざ踊り」について、同時代のエッセイや新聞を中心に情報を収集し、実体の把握を試みている。これは、農村の若者を中心に、股旅ものの楽曲に合わせて踊るもので、現在演じられる股旅舞踊の起源の一つであると考えられる。このことについては断片的な情報が多いために、今後同時代を知るインフォーマントへのインタビューを通じて補完する必要があるが、現時点では文献資料を収集・分析している段階である。 くわえて、股旅ものを含む日本の大衆小説における音楽の扱いについての研究も併せて進めている。作中で音楽が登場する文脈を考察することで、当該ジャンルがどのような音楽観を内包していたのかを明らかにできると期待している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度も引き続き、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、イベント調査やインタビュー調査が実施できなかったことが研究遅延をもたらしていた。 他方、文献調査の面からは股旅ものの文化史的文脈の解明は順調に進展している。 しかし、全体としてはやはりウィルス関連の影響は大きく「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
イベント調査やインタビュー調査を行うという当初の計画は維持しつつ、既に文献調査・オンラインを活用した調査にシフトしてきているために、歴史的な文脈の解明に研究焦点を移して進める必要がある。 オンラインを活用した調査については、遠隔会議システム等を使ったインタビュー、舞台のオンライン配信の視聴等を検討しているが、必要なインフォーマントとのコンタクトのためにも現地に赴く必要があり、今後はこれまでの現地調査の不足を補いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から調査旅行を行わなかった。2023年度は現地調査を行うことも視野にいれて使用したい。一方で、今後も類似の状況が継続する場合は、次年度使用額は資料購入費・オンライン設備を整えるために充てる。
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