研究課題/領域番号 |
19K00139
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
早川 陽 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (20739007)
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研究分担者 |
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00416265)
歌川 光一 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50708998)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自然と盆栽 / 小品盆栽 / 盆栽趣味の流行 / アマチュア / 音楽文化 / 生涯学習論 / レジャー・スタディーズ / 高等女学校 |
研究実績の概要 |
2021年度は引き続き、資料収集等を積極的に進め文献研究を続けた。 研究代表者は、論文「盆栽趣味の広がりと性格―雑誌『自然と盆栽』記事にみる1970年~1982年―」を執筆した。明治時代以降の盆栽雑誌発行の変遷をまとめた上で、1970年4月に創刊された雑誌『自然と盆栽』を、第1期(1970~1976)と第2期(1977~1982)に分け、記事の内容を参照し、戦後の盆栽趣味の広がりと性格の変化を明らかにした。盆栽は昭和期に入ると陳列会に耐えられる大型盆栽が増加、1945年にかけて需要の拡大と概念の定着をみた。戦後約10年間の停滞を挟み、1955年以降、再び盆栽趣味が広がるようになったが、ここでは愛好者の交代が進み、1970年代までに盆栽の小型化による需要の変化も起こっている。 次に、2021年度余暇ツーリズム学会レジャー・スタディーズ研究部会(2022年3月12日、オンライン開催)において発表を行った。研究代表者は「昭和期の盆栽趣味-1935年と1970年の状況から-」と題し、本課題でまとめた2本の論文の概要を報告した。また研究分担者の歌川は「1930年代の高等女学校卒業生・再考」とした発表を行い、稽古(事)と「たしなみ」などの音楽文化が、社会教育との関係があることを捉えなおしている。 研究分担者の塚本(東京大学)は、近代文人画(南画)運動とその一般層への普及について考察を進めている。20年度からは、出版および雑誌文献類から漢学愛好者の情報整理の試みを継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により対面による調査をひかえ、予算を資料収集への使用に切り替えて研究を続けた。研究代表者、研究分担者は「盆栽の小型化と流行」「漢学と愛好者」「高等女学校の音楽活動と社会教育」等の論考をまとめ、研究発表を通して考察を行った。
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今後の研究の推進方策 |
最終年として研究の総括、取りまとめを進めたい。研究代表者、研究分担者の共有する課題から研究報告の機会を計画し、成果への集約を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究発表の継続が見込まれたため、学術研究助成基金助成金補助事業期間の延長を申請した。次年度に発表の取り纏め、必要資料等の経費に使用する。
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