本研究の目的は、70ミリ劇映画の保存と再現にむけ、日本映画史上重要な70ミリ作品の媒体固有の表現の復元に必要な調査として、(1)国内の70ミリ劇映画の受容、(2)70ミリ上映に関する機器及び技術の維持方法、(3)三隅研次監督『釈迦』(大映、1961)の最適な復元方法、を明らかにすることにおいた。 研究期間はコロナ禍の延期で5年間となり、初年度に(1)70ミリ映画館の分布状況と、(2)必要な機器及び技術の維持方法を、2年目以降は(3)『釈迦』の国内外の資料とフィルムの所在調査および検査を行い、最終年度に報告会を実施し、調査・復元方法を報告したことで、研究目的を概ね達成することができたといえる。
|