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2022 年度 研究成果報告書

新ドイツ派の「室内楽」概念:19世紀音楽史の空白を再検討する試み

研究課題

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研究課題/領域番号 19K00148
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01050:美学および芸術論関連
研究機関弘前大学

研究代表者

朝山 奈津子  弘前大学, 教育学部, 准教授 (30535505)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード音楽史記述 / 楽派概念 / 新ドイツ派 / チャールズ・バーニー / フランツ・ブレンデル / グイド・アドラー
研究成果の概要

本研究では、ADMVのTV第1回(1859)から第38回(1902)までの室内楽コンサートの全曲目をデータベース化し、傾向として、声楽、特に独唱歌曲が過半数を占めること、器楽作品の作曲家としては、ブラームスに次いでドレーゼケ、ベートーヴェン、ラッセンが多いが、多くの作品が時代を超えるレパートリーとして残っていないことが分かった。また、本研究を通じてはさらに、「新ドイツ派 Neudeutsche Schule」の命名の背景、とりわけ「派 Schule」のコンテクストと、「派」(日本語ではしばしば「楽派」)の語が音楽史記述に導入された経緯、およびその意味の変遷について明らかになった。

自由記述の分野

音楽学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の意義は、従来の音楽史記述の見直しに関わり、以下の通り大きく2点ある。
第一に、従来の音楽史において、ブラームスと「新ドイツ派」の関係は良好でなかったとされ、盛期ロマン主義の音楽美学が党派論争として語られる傾向があった。しかし、TVにおいてブラームスの作品が繰り返し取り上げられたことは、当時の音楽創作が実際には党派論争に収まりきらないものであることを示唆している。
第二に、「楽派」という語の意味の歴史的変遷を通じて、これまで曖昧に、あるいは恣意的に用いられてきたこの語が、音楽史記述のための概念であることが明確になった。

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公開日: 2024-01-30  

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