研究課題/領域番号 |
19K00151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
増野 亜子 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (50747160)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 伝統芸能 / 伝統音楽 / 身体 / 相互作用 / 一体感 / 共同体 / インドネシア |
研究成果の概要 |
本研究はインドネシアの伝統芸能を対象に、演者と演者、演者と観客、演者とモノの間で生じる相互作用とそこから生じる一体感を、音と身体の連動に焦点をあてて考察した。現地調査及び芸能者との共演、関連領域における文献調査から、演者が他者の生み出す音と身体動作に細やかに対応し、協働する特別な身体性を、経験と訓練によって習得する過程、および音と身体の緊密な相互作用が複雑なネットワークを構築して上演を生み出す過程を分析した。また芸能が生み出す音と身体の一体感は美学的に重視されるだけでなく、しばしば共同体のアイデンティティ表象に貢献することを明らかにした。研究成果は論文、公開公演及び録画によって公開した。
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自由記述の分野 |
音楽人類学、民族音楽学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
芸能が生み出す一体感は一般に広く認識されているものの学術的な研究対象になることが少なかった。本研究は特に音と身体のミクロなやりとりに焦点を当てて、複数の演者の協働する過程を分析し、バリの伝統芸能が細やかな相互作用の中から生み出されていることを明らかにした。「舞踊」と「伴奏音楽」という既成概念や役割分担をいったん離れて、芸能の現場で生じるあらゆる音と身体の間に相互的ネットワークが築かれる可能性を考える、という本研究の視点は、インドネシア以外の芸能研究全般においても今後分析と議論の足がかりとなることが期待され、舞踊・音楽・芸能の研究を横断する包括的な方法論的な発展に貢献するものである。
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