研究実績の概要 |
2023年度は、2022年度にドイツ・テュービンゲン大学で開催された「仏教と女性」にまつわるシンポジウムの成果を論文としてまとめた。各論考は、2024年度に出版する予定の論文集「Handbook of Women in Japanse Buddhism」(MHM Japan Documentsシリーズ)に収められ、ギラン、遠藤共に提出済みである(2024年5月現在、査読中・編集中である)。本書の内容は、ギランは明治・大正時代における「花まつり」の音楽文化、遠藤は20世紀ハワイでの仏教讃歌と女性についてである。 また、2023年度は、本研究期間の成果をひとつにまとめるため、論文集の編集作業を行った。2019年度より行ってきた公開研究発表会、2021年に開催したシンポジウム、また数名の招待論文を合わせて、11名の執筆者の論文を編集する作業を行った。 本書は『(仮)Music, Buddhism, and Japanese Modernity』として2024年6月の入稿を目指している。論文は日本国内での仏教唱歌(ギラン)、明治時代の音楽界と政界・言論界とのつながり(大内)、ハワイでの仏教讃歌(遠藤)をはじめ、日本国内や米国での日経コミュニティーの仏教音楽を取り上げる初めての英語での論文集となる。編集作業のために、3回にわたり編集会議を開催した。2023年11月にギラン、遠藤、大内が仙台で編集会議を行い、2024年2月にギラン、遠藤が東京で編集会議を開催し、3月に奈良で会議を行った。 また、遠藤、ギランは、松ヶ岡文庫所蔵の鈴木大拙英文書簡のうち、ポールケーラス宛の翻刻・翻訳を行うとともに、ポールケーラス宛の釈宗演英文書簡も同様に行った。本内容は、『(公財)松ヶ岡文庫研究年報』の別巻として2024年に刊行される予定である。
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