英語圏におけるアニメ研究の歴史と現状、支配的な批評パラダイムの再検討を行うという英文研究書の原稿を七割近く書き終えた。原稿では三つの視点から英語圏アニメ研究を批判的に検討し、日本と英語圏という区別を超えた、新たなアニメ研究の必要性を論じている。第一に、「アニメ」概念の徹底的な再検討を行い、理論と歴史の両側面からこれまでにない大胆な再定義を試みている。第二に、表層的な皮相さに回収できない「ポストモダン」概念の重要性を確認し、その本格的な見直し作業を通じて、アニメの歴史性を詳らかにしている。第三に、「サブカルチャー」概念の徹底的な再検討を通じて、サブカルチャーとアニメの再文節化を試みている。
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