本研究では、日本のアニメーションおよび「アニメ」についての理論的言説を、実際のアニメの実践について、制作者から得た知見などを検討しつつ歴史的に分析した。「アニメーション」概念そのものが、実写映画と対比される数々の特性をもつ映像実践をグループ化することでうまれたことを確認した上で、マンガやゲームなどのアダプテーションが常態である日本の「アニメ」が、テレビ番組やヴィデオソフトなどのフォーマットとともに歴史的に展開してきたことについて考察した。また日本国内外のファンカルチャー研究やメディア理論を中心とした近年の「アニメ」をめぐる分析についての調査によって、その位置付けが変容を続けていることを示した。
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