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2021 年度 研究成果報告書

ジュゼッペ・タルティーニの理論的著作における音楽の数学的基礎づけとその思想的背景

研究課題

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研究課題/領域番号 19K00164
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01050:美学および芸術論関連
研究機関同志社大学

研究代表者

大愛 崇晴  同志社大学, 文学部, 教授 (70587980)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード音楽理論 / タルティーニ
研究成果の概要

18世紀のヴァイオリン奏者・作曲家ジュゼッペ・タルティーニの理論的主著『和声の真の知識に基づく音楽論』(1754)第5章を分析した。彼は古代ギリシア音楽と同種の諸性質を当代の民謡に見出し、それらを「自然」という普遍的な観念に根拠づけている。ヴェネツィアのゴンドラ漕ぎの歌に着想を得た〈タッソのアリア〉は、タルティーニが古代音楽に見出す「自然」の原理を作曲実践において反映させたものと考えられる。また、タルティーニと交友関係にあった貴族ジャンリナルド・カルリの古代音楽観についても検討し、両者において古代音楽は純粋な理想であり、同時代の創作や評価の基準として機能していることが明らかとなった。

自由記述の分野

音楽学

研究成果の学術的意義や社会的意義

国内ではこれまでほとんど研究対象とされてこなかったタルティーニの理論的著作を精査すること自体が芸術学分野で大きな学術的意義を有することは明らかである。また、本研究の成果により18世紀における古代音楽に関する理解や表象の一端が明らかになったという点で、西洋音楽史のみならずヨーロッパ文化史全体の知見の向上に一定の寄与ができたと考えられる。さらに、過去の歴史観を実証的な方法によりメタ的な視点で捉えることは、現代の私たち自身の歴史観を振り返る契機にもなりうるという点で、社会的意義も小さくない。

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公開日: 2023-01-30  

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