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2023 年度 研究成果報告書

フィレンツェ美術にみるダンテ『神曲』の視覚化-彼岸の測量と地理学を中心に

研究課題

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研究課題/領域番号 19K00169
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01060:美術史関連
研究機関山形大学

研究代表者

石澤 靖典  山形大学, 人文社会科学部, 教授 (20333768)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードルネサンス / 神曲 / ボッティチェッリ / 地獄図 / 煉獄
研究成果の概要

15~16世紀のイタリア人文主義におけるダンテ『神曲』の註解と、同時代のルネサンス美術の関連性を、彼岸の三界―地獄、煉獄、天国―の表象を中心に検証した。とりわけ、この時代のダンテ学者による地獄、および煉獄の地理学的・測量学的研究が、同時代のボッティチェッリやブロンズィーノら、ダンテの彼岸イメージを視覚化した美術家とどのような思想的関心を共有していたかを検討し、そのような動向の背後に、ダンテを文化的象徴として称揚する都市の論理が存在していたこと、また註解版『神曲』刊行にまつわるフィレンツェ-ヴェネツィア間の対抗意識が作用していたことを明らかにした。

自由記述の分野

西洋美術史

研究成果の学術的意義や社会的意義

ダンテ『神曲』で詳細に描写された地獄や煉獄の構造が、15~16世紀の彼岸にまつわる視覚表象に何らかの影響を与えたことはこれまでも指摘されてきた。しかし15世紀後半から16世紀前半にかけての人文主義文化の中で、都市の文化的覇権にまつわる闘争という観点からそれら一連のダンテ再評価の流れを再構築し、さらに美術史的な展開と関連付ける試みはわずかだったといえる。本研究ではランディーノの『神曲』注解で最初に提示され、画家によって視覚化された彼岸イメージが、その後のルネサンス文化の中でどのように継承あるいは修正されたかを、幅広い歴史的文脈において捉え直そうとしており、その点に学術的意義があるものと考える。

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公開日: 2025-01-30  

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