活人画とは衣裳を身に着けた人物が静止した状態で絵画を再現するパフォーマンスを意味する。活人画、ないし活人画的なものを対象とする本研究は、活人画そのものの歴史記述に加え、活人画から美術および諸芸術に目を向けることによって新たに浮かび上がる諸問題について考察を広げようとするものである。具体的には、(1)活人画の実践と絵画制作の関係、(2)文学作品における活人画場面、(3)演劇・映画における活人画的表現、(4)活人画と裸体、(5)現代における活人画の展開、といった新たな視点から、美術史ないし芸術史において活人画が有した意義についての総合的理解を目指した。
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