研究課題/領域番号 |
19K00197
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
有持 旭 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (30759783)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アニメーション / 風刺画 / エストニア / クロアチア / オーラル・ヒストリー / 比較美術史 / 国営アニメーションスタジオ |
研究実績の概要 |
次年度となる令和2年は、国内で文献調査を行なった。インターネットで入手できる資料を積極的に集めつつ、エストニアの芸術文化雑誌の購読が可能となったほか、文芸新聞『Sirp ja Vasar』の1987年の1年分の新聞を入手し、風刺画「Sitta kah」の現物を入手することができた。これらにより、これまで知ることのなかった風刺画作品を確認することができた。また、風刺雑誌『Pikker』に掲載されている風刺画をデータ化する作業を継続的に行った。その後、タリンフィルムで画家が制作したアニメーション作品と絵画の関係を検証し社会史と照らし合わせて考察した。また、コロナ禍により実地調査できなかった「ザグレブ・フィルム60周年」展については、現地の研究補助員の協力による会場風景の写真と動画、およびカタログを基に概略的ではあるがザグレブのアニメーション史と風刺画の関係を調査し考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
covid-19問題下のなか、所有している文献を使った調査は進んでいるが、その成果を基に行う予定であった聞き取り調査ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
渡航可能となれば、まず実地調査対象でありながらも不可能となった、タルトゥ大学での「ホテルE」展、タルトゥ大学での1980年代の風刺画家の活動記録写真展、ザグレブ国際アニメーション映画祭、エストニアに新しくできる国際アニメーション映画祭Animist Tallinn、これらの事後調査を行う。また、レイン・ラーマットやヘイキ・エルニツら、エストニアの作家に聞き取り調査を行い、資料提供を依頼し、ペレストロイカ(1985)から独立直後(1991)における視覚芸術の状況がタリンフィルムにどう影響を及ぼしていたのか、明らかにする。もし2021年度も海外で調査できなければ、国内で資料を再度丁寧に見返す・読み返すという作業を行うことになる。最終年度に海外での実地調査を過度に増えすことはできないため、研究の1年延長を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外での調査が延期となり、旅費と人件費に関して計上額と実費の間で差が出た。物品費は海外で購入する予定であった資料費であるから、同様の理由により使用することがなかった。
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