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2019 年度 実施状況報告書

日本美術におけるアンフォルメルの受容と展開

研究課題

研究課題/領域番号 19K00203
研究機関関西大学

研究代表者

平井 章一  関西大学, 文学部, 教授 (30640255)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードアンフォルメル / 抽象表現主義 / 具体美術協会 / 美術運動 / 戦後美術
研究実績の概要

本年度は関係者へのインタビューと国内外での資料調査を計画しており、それに沿って研究を進めた。
まず8月25日に大原美術館にて、同館館長で、1950年代パリにおいて「アンフォルメル」をめぐる動向にいち早く接した高階秀爾氏に、また9月13日には東京にて、1957年のミシェル・タピエ初来日時に通訳を務め、彼のテキストも多数翻訳するなど「アンフォルメル」の紹介に深く関わった東京大学名誉教授の芳賀徹氏に、それぞれインタビューを行った。特にタピエと親しく交流した芳賀氏からは約3時間にわたり話を伺い、貴重な資料も拝見させていただいた。残念ながら芳賀氏は5か月後の翌2月20日に逝去されたため、この時のインタビューが芳賀氏が「アンフォルメル」について詳細に語られた恐らくは最後のものになったと思われる。
また、東京の国立新美術館のアートライブラリーにて、同館が所蔵する美術批評家の針生一郎氏、および瀬木慎一氏(いずれも故人)旧蔵資料の調査を行った。1950年代から60年代にかけて、日本に紹介された「アンフォルメル」について数多くの論評を残した両氏だが、旧蔵資料が膨大かつ内容も多岐に及ぶことから、まずその概要を把握し、以後複数回に分けて調査することにした。
さらに勤務する関西大学の総合図書館において、同館が所蔵する美術雑誌、逐次刊行物を対象に、「アンフォルメル」に関連する基本資料の調査を行った。
2月には、東京オペラシティ・アート・ギャラリーで開催された日本における「アンフォルメル」の代表的な画家、白髪一雄の回顧展で作品や資料を調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

国内でのインタビューや資料・作品の調査は概ね計画通りに進んでいるが、本年度末に予定していたイタリア、ミラノでの関係者へのインタビューと資料調査が、新型コロナウィルス感染の世界的な拡大とイタリアへの渡航禁止により不可能になった。

今後の研究の推進方策

次年度は、「アンフォルメル」関係者への対談形式による公開でのインタビューを計画している。
また、国立新美術館での針生一郎氏、および瀬木慎一氏旧蔵資料の調査を引き続き実施するほか、国内外の美術館等に所蔵されている日本人美術家による「アンフォルメル」関連作品の所在調査も進める。
さらに前年度実施できなかったミラノでの調査とあわせ、今年度はパリでの調査を計画しているが、新型コロナウィルス感染拡大の収束と当該国への渡航禁止解除の見通しが立たないため、これについては次々年度に延期する可能性がある。

次年度使用額が生じた理由

本年度末に予定していたイタリア、ミラノでの関係者へのインタビューと資料調査、および国内での資料調査が、新型コロナウィルス感染の拡大とイタリアへの渡航禁止により不可能になったため。これらについては次年度に次年度計画分とあわせて実施することとする。

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公開日: 2021-01-27  

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