研究課題/領域番号 |
19K00212
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
阿部 裕之 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20222664)
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研究分担者 |
田中 隆充 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20374861)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 南部鉄器 / 伝統的工芸 / 惣型鋳造技法 / 焼き型技法 / 生型技法 / 輸出用鉄瓶 |
研究実績の概要 |
岩手県の伝統的工芸である南部鉄器の鉄瓶の輸出用の造形について示すにあたり,従来の南部鉄瓶の典型的な造形や表面にデコレーションされる文様(多くはアラレ模様),色彩のバリエーションの基礎的なサーベイを行った.国や地域によって鉄瓶の使い方や上述のデザインの好みの差異があるため,マーケタによってデザイン条件が示されるが,南部鉄瓶は工芸職人が一人でデザインを行い,手づくりで制作する場合もあれば,制作過程毎に分業化され機械を主体とした量産用の制作の2つのカテゴリに分けられると考えた.そこで,本年度は,発散的な造形のバリエーションをデザインし,その後,工芸の専門家に一品物の鉄瓶に適しているのか,または,量産性のある造形であるかを確認,整理し考察を行った.整理をすることで,多くのデザインバリエーションから量産できるデザインの要素と量産可能な造形の可能性を知ることできると考えた.そして,目標に対してより具体性の高いデザインを提案できると考えたためである.上述のデザインスケッチを南部鉄器伝統工芸士会会長である,田山鐡瓶工房の田山和康氏が47種類の造形のバリエーションの整理した.南部鉄器の場合,惣型鋳造技法と識別しているが、地域での呼び方は焼き型技法と生型技法とに職人は分けている.焼き型技法(焼型技法)は型の表面を加熱する方法であり,約800度の生型技法は表面に熱を加えない,または樹脂のような素材で固める方法として考える.焼型技法は回転体が,ベースになり (一品制作可)生型技法は石膏原型のようなものからも展開できる.(量産向き・金型必要)以上の観点から,スケッチを4つのカテゴリーに分け次年度はそのカテゴリーを基軸にモックアップとして三次元化する計画である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発表予定の学会等がコロナ禍のため中止になったが、文章等での発表内容は令和元年度第2回芸術科学会東北支部研究会(開催中止)での発表について受理された。
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今後の研究の推進方策 |
科研費研究二年目の目標を予定通り達成できるように、当初の計画を見直しつつ研究の推進を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象の作品記録を残すため、PCとデジタルカメラおよび周辺機器を購入。
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