研究実績の概要 |
本研究課題の下地は2015年度に立ちあげた, 多様な人々とともにコンピュータを用いた先駆的芸術音楽を創造するフィールドを形成する社会活動である「電子音響ピープルプロジェクト」が基盤となっている. このプロジェクト概要は, a) コンピュータを用いた先駆的芸術音楽である電子音響音楽を創作するワークショップの実施, b) 参加者と講師を務めたプロフェッショナル・アーティストとが事後協働制作を行い, c) 共同制作作品を楽曲およびサウンドインスタレーション作品として完成させ, コンサートや展示で発表を行う, 一連の流れをプロジェクトアート化したものである. 本研究課題は, 全体のプロジェクト実施とその参与観察, 電子音響音楽の認知構造に関する定量化を通し, 先駆的芸術音楽の創作と多様な人々とのアクチュアリティを構築することが本研究課題の目的である. 本研究の初年度は, 過去に実施したプロジェクトの再考を反映し, SMF (Saitama Muse Forum) および埼玉県立近代美術館, 川越市美術館との連携による国内ワークショップを完了し, 事後プロジェクトを継続している他, ソーシャリー・エンゲージド・アートの専門家を招聘した講演とシンポジウムを実施し, 概念の深化に取り組んだ. また, ドイツの連携2機関におけるワークショップ実施と, その後に続く日本におけるゲーテインスティテュート東京の協力による公演・展示事業の企画を完了した. 学術的な成果としては, 本プロジェクトの概念を社会に明示するための論文執筆を行い, 環境芸術学会刊行「環境芸術学」に受理された他, サウンドインスタレーション創作のための基盤となる音楽生成モデルのデザインを行い, ICAART のスペシャルセッションHuman-Centric Applications of Multi-agent Technologies (HAMT2020) で発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年5月にカールスルーエ造形芸術大学, 2020年7月17日にカースルーエメディアアートセンターで実施が予定されていたワークショップが, COVID-19の感染防止のための国際的な対策の影響で延期となっている. また, 同様に2020年8月と10月に国内におけるワークショップの実施も, 現時点で対面での実施が可能かどうかについて, 状況を注意深く見極めたうえでの判断が迫られる不確実な状況が続いている. COVID-19によるワークショップ実施の延期はその後の, ワークショップ参加者とプロフェッショナルアーティストの協働制作や, その完成作品の発表を含む, 「電子音響ピープルプロジェクト」全体にも大きく影響してくるため, ワークショップおよび公演・展示の全体的な日程の再調整の必要が生じている.
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今後の研究の推進方策 |
2020年5月にカールスルーエ造形芸術大学, 2020年7月17日にカースルーエメディアアートセンターで実施が予定されていたワークショップが, COVID-19の感染防止のための国際的な対策の影響で延期となっている. また, 同様に2020年8月と10月に国内におけるワークショップの実施も, 現時点で対面での実施が可能かどうかについて, 状況を注意深く見極めたうえでの判断が迫られる不確実な状況が続いている. COVID-19によるワークショップ実施の延期はその後の, ワークショップ参加者とプロフェッショナルアーティストの協働制作や, その完成作品の発表を含む, 「電子音響ピープルプロジェクト」全体にも大きく影響してくるため, ワークショップおよび公演・展示の全体的な日程の再調整の必要が生じている.
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