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2019 年度 実施状況報告書

メキシコ発見-日本人美術家たちのメキシコ体験の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00228
研究機関日本大学

研究代表者

奥村 祐子 (笹井祐子)  日本大学, 芸術学部, 教授 (70328772)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードメキシコ美術 / 北川民次 / 竹田鎮三郎
研究実績の概要

メキシコの何が日本人芸術家を誘うのか。メキシコの何が魅力となり、人をとりこにするのか。本研究では、日本人がメキシコに何を見出し、どういう表現を獲得してきたかを研究概要としている。
1,メキシコの風土、文化の理解、メキシコ的なるものの解明
①日本の芸術家たちが日本において、メキシコで吸収してものをどのように作品に取入れたかを調査。北川民次研究「北川民次のアトリエ」を訪問調査、「没後30年市民が愛した北川民次」展での作品(野外美術学校生徒 フェルナンド・レエス『女の像』他)研究及びスペシャルトーク「北川民次について」の参加、北川民次が晩年の制作活動において「なぜ瀬戸を拠点にしたのか」を調査。
②北川民次から影響を受けた芸術家 竹田鎮三郎インタビュー 存命しているひとりが竹田鎮三郎である。メキシコオアハカ州の竹田氏のアトリエでインタビューを行った。1963年にメキシコに渡り、1978年からメキシコでも先住民文化の色濃いオアハカ州の州都オアハカ市に住み続けている理由。メキシコ美術から影響を受けた作家にダビッド・アルファオ・シケイロス(1896-1974)、ホセ・ミゲル・コバルビアス(1904-1957)、北川民次(1894-1989)3人であること。その影響は竹田氏
のメキシコにおける作家人生を決定づけるものであった。「メキシコオアハカ州に来て、やはりそれだけ強いものを僕にあたえたのです。」「絵というものは、こういう人を描くのだ、この人の住んでいる土地を描くのが絵なのだと、はっきり自分で分りました。」と、メキシコの魅力を聞き出せた。メキシコに渡る前に北川氏の影響が強いと思っていたが、インタビューを終えて写真家の三木淳(1919-1977)から「僕の写真集があなたのような若い方たちに影響を与えるのか」と、三木氏からの影響があることもわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1、メキシコと日本での調査が充分に行えなかった。
①メキシコの地理・風土・歴史(メキシコという国、概説)、②メキシコ神話・遺跡、③メキシコの美術 シケイロス、リベラから土着的なものと社会的政治的なものまで、④メキシコの独自性(何がメキシコに誘うか)
2、日墨美術交流先駆の北川民次の調査と研究を継続進める必要がある。

今後の研究の推進方策

1、北川民次の研究
①北川民次、メキシコに渡るまで 日本での模索、試作期、その作品時代状況と日本の美術界、その意識、②メキシコ渡航、メキシコ在住 メキシコに誘ったもの、当時のメキシコ認識 メキシコ社会と美術界、シケイロス、リベラ等の出会い美術に対する考えの変革、③メキシコ在住期の作品 メキシコから受けとったもの。色、形、空気、そして思想 メキシコ期の作品の進展 社会主義的作品、美術の社会性美術は社会に何をなしうるか、④美術教育、絵画教育の完成へ メキシコの子どもたちに絵を教える。子どもの表現能力開発を目指して子どもの表現力、絵画の原初の力 子どもたちから学ぶこと。教えること=学ぶこと=発見すること、⑤帰国後の活動 帰国の動機。日本の社会状況。美術界の状況。社会主義的作品の展開。美術界との摩擦。コスモポリタンと自国意識の相違 社会性を求めての戦い。子どもたちに美術教育を!美の運動
2、メキシコ研究
①メキシコの地理・風土・歴史(メキシコという国、概説)、②メキシコ神話・遺跡、③メキシコの美術 シケイロス、リベラから土着的なものと社会的政治的なものまで ④メキシコの独自性(何がメキシコに誘うか)

次年度使用額が生じた理由

今年度予算は、メキシコでの調査において、メキシコの研究者 Favela Fierro, Maria Teresaの協力を得ることが出来ず、インタビューすることが出来なかった。サンカルロス美術学校での調査ができなかった。日本国内の調査が十分に出来なかった。次年度の調査において、利根山光人美術館、北川民次美術館、岡本太郎美術館等での調査。メキシコでの野外美術学校派「グルー プ 30-30!」タスコでの調査。児童教育の実験「名古屋動物園児童美術学校」に予算を当たい。

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公開日: 2021-01-27  

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