従来は、現在に至るフランスの音楽政策は第五共和政期(特に1966年以降)に始まることが定説となっていたが、本研究により、「音楽政策萌芽期」が存在すること、そしてこの時期の動きが1966年以降の動きに影響を与えている可能性があることを、具体的に明らかにすることができた。 特に本研究では、「音楽政策萌芽期」に生まれた1)音楽政策を巡る省庁間連携及び役割分担、2)音楽家の質保証に関する制度改革、3)政府による民間アクターの効果的活用、など、従来指摘されてこなかった新たな視点・要素を見出し、これらが1966年以降の音楽政策に大きな影響を与えている可能性を指摘することができた。
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