研究課題/領域番号 |
19K00235
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
鈴木 公子 (林公子) 近畿大学, 文芸学部, 教授 (50183091)
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研究分担者 |
土田 牧子 共立女子大学, 文芸学部, 准教授 (30466958)
中尾 薫 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (30546247)
後藤 静夫 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 名誉教授 (50381926)
横田 洋 大阪大学, 総合学術博物館, 助教 (50513115)
澤井 万七美 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (60330726)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 乙女文楽 / 人形衣装資料 / 女性芸能 / 大阪の芸能 / 近代の芸能 / 義太夫節 |
研究実績の概要 |
・研究会を開催し、大阪大学所蔵の乙女文楽の人形衣装を中心とした研究対象の資料について、すでに作成した第1次データベースの再検討を行った。当該資料は、これまでに紹介された目録が作成されている人形浄瑠璃関係の資料とは、いろいろな点で性格が異なっている。これまでの調査・研究で、当該資料は、単一の「乙女文楽」の上演団体の資料ではなく、複数の「乙女文楽」の座の消長、変遷の結果が累積したものであると考えられるに至った。従って、データベース作成の際には、このような複雑な性格を持つ当該資料の特徴をどのように反映させられるかを十分考えて、慎重に構築する必要がある。研究会では、個々の資料について考察を加え、項目をはじめとするデータベース記載内容および表記について検討を加え、追加すべき項目、項目名称、表記方法等について決定し、それに基づいて、より精緻な資料の再調査と第2次データベース作成に着手した。これにより、当該資料がいくつかのグループに分かれることと、そのグループごとの特徴を明らかにすることができると考えている。また、当該資料を大阪における複数の「乙女文楽」の座の消長との関連で具体的に考察することも可能になると考える。 ・データベースのデジタル公開に向けて、公開用写真撮影に着手した。 ・乙女文楽が誕生した1920年代からの新聞・関係雑誌についての網羅的な調査を行った。これにより、歴史資料から「乙女文楽」の座の消長について、より実証的な考察を行っていくことが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大阪大学所蔵資料の第2次データベース作成については進捗したが、それ以外の機関所蔵の乙女文楽関係資料の調査や、関係者へのインタビューを行うことができなかった。 3月に研究会を開催する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、開催不可能になり、総合的な検討と考察が十分行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
・第2次データベースの完成とそのデジタル公開を行う。 ・最終年度に予定している展覧会形式による成果発表にむけて、総合的な考察を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月に行う予定にしていた大阪での研究会、東京、京都での調査・インタビューが、新型コロナウイルス感染拡大のために中止せざるを得なくなって、旅費支出が少なくなり、また、今年度は予定していたデータベースのデジタル公開のための支出が生じなかったため、次年度使用額が発生した。 次年度は、安全に研究会が開催できる状態になり次第、研究会を開催するとともに、東京、京都での資料調査を行い、そのための旅費、文献複写費等として使用する。また、現在は中断されている大阪大学所蔵資料の再調査・写真撮影についても、大学内での研究活動が可能になり次第、再開し、そのためのアルバイトを雇用する。
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