研究課題/領域番号 |
19K00235
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
鈴木 公子 (林公子) 近畿大学, 文芸学部, 教授 (50183091)
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研究分担者 |
土田 牧子 共立女子大学, 文芸学部, 准教授 (30466958)
中尾 薫 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (30546247)
後藤 静夫 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 名誉教授 (50381926)
横田 洋 大阪大学, 総合学術博物館, 助教 (50513115)
澤井 万七美 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (60330726)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 乙女文楽 / 人形衣装資料 / 女性芸能 / 大阪の芸能 / 近代の芸能 / 義太夫節 |
研究実績の概要 |
・令和3年10月18日(月)~12月18日(土)に、本科研「人形資料に基づく乙女文楽の芸能史的発展研究」および令和元年度~3年度科研「人形衣装調査を中心とした乙女文楽の総合的研究」(基盤研究(c)一般 16K02349)の研究成果に基づき、大阪大学総合学術博物館「第15回特別展 乙女文楽ー開花から現在までー」の企画・展示を行った。この展覧会では、乙女文楽に関する初めての総合的な展覧会として、6年の研究から得られた知見に基づく3部構成の展示により、乙女文楽の全体像を浮かび上がらせた。「第1部 人形浄瑠璃の近代」では乙女文楽誕生の芸能史的背景を、それがわかる人形胴や文献史料、また実際の文楽人形や乙女文楽の人形の展示によって、「第2部 乙女文楽の歴史」では乙女文楽の歴史を、番付や写真と実際に乙女文楽で使用されてきた人形首、大阪大学文学研究科所蔵(現在は大阪大学総合学術博物館所蔵)の衣装、道具幕、小道具によって、「第3部 現代の乙女文楽」では、現在も乙女文楽を伝承している、大阪と神奈川の3つの団体・個人の活動を、それぞれの人形や人形操作機構、パンフレットやチラシの展示によって示した。 ・この展覧会では、芸能の展覧会として展示と両輪をなす乙女文楽の実演を関連イベントとしておこなった。10月30日には、吉田光子から腕金式の人形操作を伝承している乙女文楽座の吉田光栄による「吉田光栄 乙女文楽~実演と解説~」を、11月20日には、独自の肩金式人形操作を考案して活動を行っている桐竹繭紗也による「桐竹繭紗也 乙女文楽『輝夜姫(竹取物語)』」を、12月18日には、桐竹智恵子から胴金式の人形操作を伝承している現代人形劇センターひとみ座乙女文楽による「ひとみ座乙女文楽~実演と解説~」を開催し、作品上演と人形操作解説を行った。 ・展覧会企画および大阪大学総合学術博物館叢書刊行準備のために研究会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年度も、令和2年初頭に始まった新型コロナウイスルcovid-19の感染は収まらず、感染拡大防止対策が継続されたため、他府県への移動などを伴う研究活動に制限を受けた。大阪大学総合学術博物館での展覧会は予定通り開催できたが、研究成果発表として、展覧会開催年度に発行を予定していた大阪大学総合学術博物館叢書刊行とデータベースデジタル公開を令和4年度に繰り延べすることになり、補助事業期間の1年間延長を申請し、承認された。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果をまとめた大阪大学総合学術博物館叢書『乙女文楽』(仮題)を刊行する。 大阪大学総合博物館所蔵の乙女文楽資料のデータベースの完成とデジタル公開を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新形コロナウイルスcovid-19の感染防止対策の影響で研究成果をとりまとめた大阪大学総合学術研究叢書『乙女文楽』(仮題)の刊行、データベースの完成、デジタル公開をR3年度中に行えなかったため、次年度使用額が発生した。そのためR4年度まで補助事業期間の延長を申請し、R4年度に次年度使用額を使用する。 次年度使用額は、研究成果とりまとめに必要な調査にかかる旅費、謝金等、大阪大学総合学術研究叢書『乙女文楽』(仮題)掲載の図版等掲載料、データベースデジタル公開にかかる費用等に使用。
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備考 |
(1)の展覧会がJSPS科研費の助成をうけたものであることは、展覧会チラシ裏面(https://www.museum.osaka-u.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2021/09/421360276b033d63b0a6556236503a60.pdf)に記載されている。
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