研究課題/領域番号 |
19K00241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮坂 慎司 筑波大学, 芸術系, 助教 (00637150)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 触れる鑑賞 / 触覚的イメージ / 彫刻表現 / 素材感 / テクスチャ / 鑑賞支援 / タッチツアー / ミュージアム・アクセシビリティ |
研究成果の概要 |
本研究では、触覚性に主眼を置いた彫刻表現研究や、国内外の触れる鑑賞支援の実践に対する調査、触れることを前提とした展示及び鑑賞支援の実践を通して、「触覚的イメージ」を内包する彫刻表現の在り方と、触れる鑑賞の展開可能性を模索してきた。表現研究の成果としては、モルタルと石膏の混合材による素材転換と直付け制作法を技法として深め、触れる鑑賞に堪える彫刻表現の実践例を示した。調査においては、1960年代後半から始まる日本の触れる鑑賞支援の特殊性について焦点を当てることができた。これらを踏まえた展示と支援の実践では、「触覚的イメージ」における制作痕の重要性と、積極的関与且つ寄り添う姿勢の肝要さを確認した。
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自由記述の分野 |
彫刻表現研究
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は制作実践者の視点を踏まえ、触れる美術鑑賞の足掛かりを築くものである。表現研究の成果は、新たな技法論の確立と、作家ごとに意味合いの幅を有する「内触覚」に対して一考を示すものとなる。日本の触れる鑑賞の歴史は欧米と比べて特殊性を有するものであり、また、実践の蓄積も多く、これを発信していくことで、国内外におけるミュージアム・アクセシビリティの向上への寄与が期待できる。展示や鑑賞支援の実践を踏まえて行う研究は、触れることへの障壁が高くある国内の美術館への前例を示すものとなり、今後、触れてもよい作品と触れるべきではない作品の選定や、鑑賞者への関与の在り方を考えて行く上で意義を有する。
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