研究実績の概要: 最終年度である2021年度においては、研究のまとめとして研究成果の言語化、論文化、そして表現作品の制作に注力され、その成果はICMC 2022(国際コンピューター音楽会議)に採択(査読、審査あり)され、2022/7にアイルランドで発表される。また2022/5に名古屋で行われるミッドジャパン音の芸術祭、Meta-Xenakisに招待され、本研究の全体を総括する講演と作品のプレゼンテーションが行われる。また2022年度末にコロナ社メディアテクノロジーシリーズ「サウンドデザイン」にプロジェクトの全容を紹介する文章を寄稿した(出版は確定、原稿も提出済み)。 2019~21年度においてはまず、広い空間の体験と音表現の周辺にある様々なアスペクトに注目し、いろいろな実験的イベントをおこない。研究メンバーによる学会発表や論考にて研究を一般に公開した。同時に本研究の中心にある建築空間の体験と音楽体験の接続、作品表現化のアプリケーションの開発をすすめ、その体験内容のアスペクトの精査、検討をくりかえしおこなった。最終年度にはそれらのまとめをおこなったが、全研究期間をとおして、わたしたちが当初、目的とした建築空間体験と音楽体験というモダリティーをこえた深層構造の共有の独自性の解明は、作品表現と論考の掘り下げにより高いレベルでの具体性をもたすことができたと思う。そしてそれは、この分野における一つの成果として重要な寄与ができたと考えられる。
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