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2023 年度 実施状況報告書

ローコスト支持体を活用した弘長寺本殿壁画の再現

研究課題

研究課題/領域番号 19K00246
研究機関新潟大学

研究代表者

永吉 秀司  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40461842)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード日本画 / 仏画 / ローコスト / 現代日本画 / 再現 / 地域文化創生 / 文化醸成 / 文化資産創生
研究実績の概要

ローコスト支持体を使用した仏教壁画の再現表現としての成果物である「雲中二十五菩薩来迎図」の「左舷・中央東側面・西側 」「左舷・中央東側面・東側」「左舷・中央面・東側面」の3壁面の作成と、研究成果報告の一環としてこれまで制作してきた極楽浄土「龍頭船図」、極楽浄土「鷁首船図」、蛙蓮図「喜怒」、蛙蓮図「哀楽」、紫雲白蓮図「紫雲左舷」「紫雲右舷」、紫雲白蓮図「白蓮」、蓮図「白色白光黄色黄光図」「青色青光赤色赤光図」、「青色青光黄色黄光図」「鸚鵡図」「蓮台往生図」「具会一処図」、再現画「紅白蓮図・右舷」、再現画「紅白蓮図・右舷祭壇下」、再現画「紅白蓮図・左舷、再現画「紅白蓮図・左舷祭壇下」の研究成果物と研究の概要を示したポスター掲示を、新潟県胎内市教育委員会協力のもと、胎内市美術館において『永吉秀司 新令和版弘長寺来迎図展』という企画展を現代日本画作品の展示も含め、10月14日~12月24日までの期間一般公開した。
推計入場者数としては、総計1163名の来場者で、胎内市44%、村上周辺11%、新発田・聖籠8%、新潟市周辺28%、長岡周辺3%、県外4%、という推計となっており少数ではあるが海外からの来場者もあった。
それに10月14日には作品解説会も実施し、関連企画ワークショップとして11月4日、12月16日、12月17に日本画体験ワークショップも企画し、どの関連企画も募集定員を超過する参加状況で、地域における文化醸成の一助となった。
また、これまでの研究の研究成果の概要と成果についてまとめた『祈り-引き継がれていくもの―永吉秀司日本画作品集 新令和版弘長寺来迎図解説』も発行し、文献資料としての見地からも今回の研究成果を地域社会に還元する一助として一定の成果を収めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナウィルス拡大防止のための行動制限があったため、初動研究が遅れ、調査研究するための寺院(弘長寺)へ調査に行くことができなかったため、成果物を納める壁面の測量作業や周辺地域における文化財とその文化様式についての調査ができず、全体的に研究進度が遅れてる状況にあった。
また、本来ならフィールド研究で実態を明らかにする予定だった研究領域も、方法を変更し、行動制限がある中で研究継続をするため、文献資料から研究を進めるという方法を取り、この計画変更も大きな研究遅延の原因となった。
そのような状況にも関わらず、主たる研究対象である寺院(弘長寺)がある地域で、大規模な豪雨災害(新潟県村上集中豪雨2022.8)が発生し、水没は免れたが、寺院の一部が被災し研究遂行上困難な状況が約半年間続いた。
現在その遅れを取り戻すために、エフォート率を見直し、研究を進めている。

今後の研究の推進方策

昨年完成予定だった研究成果物である「雲中二十五菩薩来迎図」の「右舷・中央西側面・西側」、「右舷・中央西側面・東側」、「右舷・中央面・西側面」の3壁面の制作を6月中に完成させ、その制作表現方法について文献資料としてまとめる。
また、右舷位牌堂下の戸板絵4面も10月までには完成させ、これらの制作表現方法についても文献としてまとめる。
この他にもこれまで調査研究した『ローコスト基底材について』『ローコスト描画材における表現方法について』『ローコスト支持体の基礎研究』に関連する研究成果を文献資料としてまとめ、書籍として刊行する。
また、研究成果発表として、新潟市歴史博物館(みなとぴあ)全面協力のもと、今年完成した研究成果物を加え、胎内市美術館でも中間報告として公開した研究成果物「雲中二十五菩薩来迎図」の「左舷・中央東側面・西側」、「左舷・中央東側面・東側」、「左舷・中央面・東側面」、極楽浄土「龍頭船図」、極楽浄土「鷁首船図」、蛙蓮図「喜怒」「哀楽」、紫雲白蓮図「紫雲左舷」、「紫雲右舷」「白蓮」、蓮図「白色白光黄色黄光図」「青色青光赤色赤光図」「青色青光黄色黄光図」「鸚鵡図」「蓮台往生図」「具会一処図」、再現画「紅白蓮図・右舷」、再現画「紅白蓮図・右舷祭壇下」、再現画「紅白蓮図・左舷」、再現画「紅白蓮図・左舷祭壇下」の研究成果物と研究の概要を示したポスター掲示を、新潟市歴史博物館の新収蔵作品展と連携する形で、12月に一般公開を予定している。

次年度使用額が生じた理由

予定していた研究素材が安価で購入できたためと、造形表現の基礎研究として出張調査を予定していたものを文献調査に研究方法を切り替えたため、出張旅費を削減することができため次年度使用額が発生した。
また、今年度に研究成果物の発表を予定しており、予定予算を超える大幅な出費が見込めるため、その経費として想定される「刊行物費」「広報費」「研究内容のポスター展示のための資材購入」「研究成果物展示のための造作費」の予算執行を可能にするため、次年度使用額を敢えて生じさせることにより、そのための予算確保を意図とした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 地域文化財コスト押さえ守る2023

    • 著者名/発表者名
      永吉秀司
    • 雑誌名

      新潟日報

      巻: 28814 ページ: 21-21

  • [学会発表] 新令和版弘長寺来迎図展2023

    • 著者名/発表者名
      永吉秀司
    • 学会等名
      新潟県胎内市美術館
    • 招待講演
  • [備考] kouchouji_project

    • URL

      https://www.instagram.com/kouchouji_project

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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