生物進化は、固定された環境だけでなく、同種・異種の競争相手、協同・利用関係、環境(ニッチ)の構築など、様々に変化する状況に対する適応として生じる。本研究では、こうした可変的な進化動態を、因果モデルとゲーム理論という異なる形式的手法を組み合わせることで、統一的に扱うことを可能にした。 また一方で我々は、同じ対象を、様々な粒度・レベルでモデリングすることができる。従来は、こうした異なる抽象度を持つ因果モデルがどのように互いに関連するのかを扱う手段がなかった。本研究では、圏論における「自然変換」という概念を援用することで、異なるレベルにおける因果モデル間を整合的に結びつける手法を開発した。
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