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2022 年度 研究成果報告書

ヴェサリウスの解剖学は独創か、どこまで模倣か―ガレノス解剖学の解読による再評価

研究課題

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研究課題/領域番号 19K00276
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
研究機関順天堂大学

研究代表者

坂井 建雄  順天堂大学, 保健医療学部, 特任教授 (90114488)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード解剖学 / 骨 / 骨格筋 / 神経 / 血管 / 解剖図 / 医学史 / 近代医学
研究成果の概要

ガレノスとヴェサリウスの解剖学の比較から、いくつかの重要な知見が得られた。①ヴェサリウスは『ファブリカ』第1書に頭蓋骨の形状と縫合の多様性を示す図を描いたが、これはガレノスの『骨について』の誤った記述を踏襲したものである。②『ファブリカ』第4書冒頭の脳神経の図では三叉神経に相当する枝が混乱して描かれているが、ガレノスの『神経の解剖について』記述を踏襲したものである。③ヴェサリウスは『ファブリカ』第2書では14枚の筋肉人の解剖図で全身の筋を示したが、筋の記述にあたってはガレノスの『筋の解剖について』を踏襲して関節ごとに作用する筋をまとめ、固有の名前を使わずに個々の筋を番号で呼んだ。

自由記述の分野

医学史

研究成果の学術的意義や社会的意義

ヴェサリウスの『ファブリカ』(1543)は、医師の君主とされるガレノスによる解剖所見を否定し、近代医学の出発点になったとされ、医学史上で最重要の解剖学書である。今回の研究により、『ファブリカ』の本文の解剖学的記述は、基本的にガレノスの解剖学を踏襲していること、解剖図についてもヴェサリウス自身の解剖・観察によって描かれているが、しばしばガレノスの記述に基づいていることが明らかになった。今回の知見は、伝統医学と近代医学を分けるものは何かという医学史における根本的な問題を解く鍵となる大きな意義を有している。

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公開日: 2024-01-30  

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