日本で超高圧電子顕微鏡の開発が世界に先駆けて成功したのは、戦前からの日本学術振興会第37小員会からの継続した開発研究があったからである。戦後に小委員会が終了した後も主だった研究者や技術者が産学連携で300kV 電子顕微鏡の開発を1950年代半ばまでに完成させている。それから10年後には、500kV超高圧電子顕微鏡が開発され、商用機も完成し、海外に輸出するまでに発展している。超高圧電子顕微鏡による基礎および応用研究も国内の研究機関で積極的に進められた。それが可能であったのは文部省による資金面でバックアップによるところが大きい。
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