本研究は、文学教育における創作理論の研究という視点から、創作技法が読者への効果を発揮するためには読解を想定した技法の運用が必要であり、読解理論と創作技法の連携が教育効果、創作の完成度が上がることから、効果的な技法の運用とその手順に関わる教育内容の検討とその充実を図る。そこで作家や学習指導要領の創作観を検討し、創作理論を利用した読解を行った上で、創作とは情緒ではなく論理であり、創作とは先行テクストとの関係や物語の構造・文脈、すなわち既にあるものを組み合わせて世界を理解・表現するアダプテーションである以上、読解は必須として、空白補充創作、続編創作・技法転換創作、全編翻案創作を実践・検討した。
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