研究課題/領域番号 |
19K00303
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
細田 明宏 帝京大学, 文学部, 教授 (20412801)
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研究分担者 |
寺内 直子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (10314452)
真鍋 昌賢 北九州市立大学, 文学部, 教授 (50346152)
後藤 静夫 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 名誉教授 (50381926)
有本 泰子 千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (60586957)
久堀 裕朗 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (50335402)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 浄瑠璃 / 人形操り / 伝統 / 演劇 / 伝承 / 文楽 / 人形浄瑠璃 / 日本近世演劇 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、遠隔会議システムを用いるなどして聞き取り調査をおこなった。さらには、文楽式人形操法について文楽人形遣いから対面で講習を受けたほか、地歌箏曲の演奏家から楽器と演奏に関するオンラインレクチャーを受けるなど、人形操りや三味線音楽の実演に対して理解を深める試みをおこなった。 また聞き取り調査などの結果をもとに学術論文などをまとめた。代表者の細田は、「二十世紀後半の地方人形座における人形について―山口県光市・島田人形浄瑠璃を例にして」、および「明治期の東京における『娘大人形』について―女性による三人遣いの人形浄瑠璃」という二本の学術論文を発表した。前者は、山口県光市に伝承されている島田人形浄瑠璃において、1960年代に伝承母体がトウヤ制による人形座から保存会に移行したことに着目し、その過程で人形の所有形態や補修・管理体制がどのように変遷したのかを、一次資料および保存会前会長への聞き取り調査によって明らかにしたものである。聞き取り調査は時として主観的に偏してしまいがちであるが、一次資料による検討をおこなうことで、より客観的な事実の解明が可能となった。また後者は、明治から大正前期にかけて東京の寄席を中心に興行されていた女性による三人遣いの人形芝居である娘大人形について、新聞記事を精査することで、その活動の全体像を明らかにした。また早替りや見台抜けなどの特殊演出を多用して観客の誘引を図るなど、実演における特徴についても指摘した。これまで娘大人形についての研究はほとんどみられないため、その活動実態を明らかにしたことには意義があるといえるだろう。
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