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2019 年度 実施状況報告書

今川了俊著『難太平記』を中心とした南北朝・室町時代初期における武家文化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00306
研究機関早稲田大学

研究代表者

和田 琢磨  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40366993)

研究分担者 田口 寛  梅光学院大学, 文学部, 准教授 (50625853)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード難太平記 / 天正本太平記 / 西源院本太平記 / 守護大名 / 今川了俊 / 鎌倉大草紙 / 南北朝時代 / 室町時代
研究実績の概要

本研究の目的は、南北朝時代から室町時代初期にかけて活躍した武将であり歌人でもあった今川了俊著『難太平記』の注釈的研究を中心に、14世紀末から15世紀初期にかけての文学・歴史・文化状況を明らかにすることにある。この『難太平記』の研究は、『太平記』の研究のみならず、広く14世紀末から15世紀初期にかけての文学・歴史・思想史・文化史の研究にも大いに資する重要な研究と考える。
この研究を遂行するために、本年度は、『難太平記』および周辺資料の伝本調査を行い、校本を作成する準備を進めたほか、11月に研究会を開き、調査の進展の確認、問題点の検討と共有、今後の研究の進め方の確認を行った。具体的な研究内容を示すと次のようになる。本年度は『難太平記』の現存諸本すべてを比較検討し注釈を付けるための基礎を固めることを研究活動の中心に据えた。このほかにも、『太平記』などの注釈を付けるために必要な文献の調査・研究、『難太平記』の特徴を類推させる作品の研究を行った。
また、その成果として、有力守護大名佐々木京極家が作成に関与したと言われてきた天正本太平記の再検討、『難太平記』と同時代に成立したと考えられ南北朝・室町時代の太平記の要本とされている西源院本本文の問題の指摘、『難太平記』と同じく『太平記』の成立伝承を乗せる『鎌倉大草紙』の検討、熊野の水軍(海賊)を扱う『安宅一乱記』の検討、を行い、それぞれ論文として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルスの影響で、2月・3月というもっとも時間がとれる時期に予定していた書誌調査と研究会を開くことができなかった。特に調査ができなかったことにより、研究の基礎となる校訂本文の作成が十分にできていない。また、3月の研究会が開けなかったこと、イレギュラーな校務が増加したこと、このような事態を想定していなかったためにオンラインでのやりとりをするための方法を考えていなかったことにより、お互いに作成した資料の検討ができなかった。

今後の研究の推進方策

書誌調査の再開は、所蔵機関の閲覧環境が整い次第再開する。また、オンラインでの研究会を開けるように準備を進めているので、状況が整ったらオンラインでの研究会を開くことで、少しずつ研究活動を進めていくことにする。

次年度使用額が生じた理由

分担者の校務の都合で、当初の計画通りに出張ができなくなり、旅費支出がなくなっただけでなく、研究費の使い始めが遅れたことが原因の一つである。
また、年度末とはいえ漸く研究活動の時間が確保できるようになった春休みの2~3月にCOVID-19の問題が起こって、既に予定していた調査出張・打合せ出張を含む、種々の研究活動が停滞してしまったことが主な原因である。特に後者の問題、すなわち新型コロナ問題で、調査に行けなくなったことにより、旅費支出ができなくなったことが大きな理由である。
今年度は、調査が可能になり次第、昨年度分の遅れを取り戻すべく、調査に行くつもりである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 西源院本『太平記』の基礎的研究--巻一・巻二十一の書き入れを中心に--2020

    • 著者名/発表者名
      和田琢磨
    • 雑誌名

      国文学研究

      巻: 190 ページ: 55-69

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『安宅一乱記』について2020

    • 著者名/発表者名
      田口寛
    • 雑誌名

      軍記と語り物

      巻: 56 ページ: 42-51

  • [雑誌論文] 『太平記』と武家--天正本と佐々木京極氏の関係を中心に--2019

    • 著者名/発表者名
      和田琢磨
    • 雑誌名

      松尾葦江編『軍記物語講座3 平和の世は来るか 太平記』

      巻: 3 ページ: 34-49

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公開日: 2021-01-27  

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