研究課題/領域番号 |
19K00312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
川崎 剛志 就実大学, 人文科学部, 教授 (70281524)
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研究分担者 |
仁木 夏実 京都府立大学, 文学部, 准教授 (40367925)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 偽史 / 修験道 / 寺社縁起 / 山岳信仰 / 役行者 / 大峯 / 葛木峯 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、三国伝来の日本仏教史の枠に準じつつ独自性を備えた、修験の起源と歴史の叙述が整備される過程を解明することである。 主に日本で最も神聖とされた大峯の縁起(『諸山縁起』等)を取り上げて、平安時代後期、大峯の両端にある金峯山・熊野の信仰の実態を反映しつつも、その参詣と埋経を大峯の山脈全体に敷衍するかたちで、天皇、高僧、聖による埋経の歴史が創出されたこと、そしてその偽史を踏まえて山岳信仰の儀礼が整備されると同時に、その偽史によって日本仏教史の叙述が更新されたことを解明した。また、その縁起の作文の内容と作者像を探る研究も進展させた。
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自由記述の分野 |
日本文学(古典)
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
信仰の意味と歴史を記述する作業は、その主体の立ち位置から、あったはずのもの、あってほしいものを記述する作業となることが多い。そしてそれが書物となると、その書物を踏まえて修行と儀礼が行われ、さらに次の記述と書物が生まれる。日本の山岳信仰でも同様の現象が起きていたことを、平安後期から鎌倉前期に作られた大峯の縁起を取り上げて明らかにした。 それは歴史を記述する行為とそれによって生まれた史書や縁起のもつ普遍的な性格であり、それを公表することで、歴史の記述を相対化する姿勢の必要性を社会に示すことができる。
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