研究課題/領域番号 |
19K00317
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
兼岡 理恵 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (70453735)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 風土記 / 翻訳 / 受容 |
研究実績の概要 |
2020年度は新型コロナウィルス感染拡大のため、計画していた学会発表・諸機関における調査・共同研究のほとんどが中止となった。たとえば研究協力者・ディビット・ルーリー氏と共同執筆を進めている英語版・風土記入門書も、コロナ禍において打ち合わせ等が十分に行えなかった。一方、研究発表を予定していた2020年6月開催・古事記学会は、2021年6月に延期(オンライン開催)となった。江戸時代後期に相次いで「風土記」テキスト(『豊後国風土記』『肥前国風土記』)を出版した荒木田久老の風土記研究について発表予定である。 またこのような状況下、2020年11月に皇學館大学で開催されたシンポジウムでは、近代における風土記研究の礎を築いた栗田寛について、栗田が風土記研究に向かうようになった学問的・思想的背景など発表した(本シンポジウムは、橋本雅之を研究代表者とし、兼岡は研究分担者として参加する「水戸学における地誌の注釈と編纂をめぐる基礎的研究」(課題番号:18K00301)の成果報告であるが、当該研究とも関連するものである)。 さらに中・高校生向けに、大学での学問・研究についてわかりやすく紹介するサイト「こんな研究をして世界を変えよう~キミはどんな学問や研究に出会えるか」(内閣府/総合科学技術・イノベーション会議のエビデンス事業)において、本研究の概要などが紹介された(https://www.sekaiwokaeyo.com/theme/l2622/)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大により、発表予定だった学会が相次いで中止・延期された。また外出自粛により図書館・資料館等も閉鎖、出張・調査が行えず、資料収集を進めることが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、各学会もオンラインにて開催予定のため、昨年度の成果を発表する。また出張・調査についても、図書館など順次利用が可能となっているため、感染拡大状況を勘案しつつ調査等を行っていく。 6月には昨年度中止となった古事記学会において、荒木田久老の風土記研究に関して発表予定である。また7月お茶の水大学国際日本学シンポジウムでは、カール・フローレンツを中心としたドイツにおける風土記研究について、さらに8月古代文学会では、風土記注釈史の流れについて発表する。 一方、風土記入門書(英語版)の共同執筆についても、オンライン会議によって打ち合わせを行い、執筆を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大により、国内・外の出張・調査が一切行えなかった。また参加予定学会も、中止あるいはオンライン開催となったため、出張費が生じなかった。 また海外在住の研究協力者との打ち合わせもコロナ禍において十分に行えず、上記の理由から、本来計上していた予算を、ほとんど使用することがなかった。 今年度は感染状況を鑑みつつ、徐々に調査を再開したい。また延期された学会も、オンライン上で開催予定であり、それらの場で成果を発表する。
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