研究課題/領域番号 |
19K00317
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
兼岡 理恵 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (70453735)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 風土記 / 地誌 / 受容 / 近代 |
研究実績の概要 |
今年度は、2023年3月および5月に米・コロンビア大学の研究協力者ディビット・ルーリー氏と英文・風土記入門書の出版計画、打ち合わせを進めた。 また近代における風土記研究として、水戸藩による『常陸国風土記』研究―すなわち同藩のアイデンティテイ構築、証しとしての『常陸国風土記』という位置付け―を考察するとともに、近世~近代の『常陸国風土記』と『出雲国風土記』研究を比較し、いずれも自国の「古代」性を示す文献として「風土記」に価値を置き、支配層レベルが研究・出版を推進したという共通項がある一方、さらに『出雲国風土記』では、同書編纂者とされる出雲臣の末裔で出雲大社・国造家である千家氏の存在・事績等について考察し、その成果を島根県古代文化センター主催「古代出雲文化シンポジウム「『出雲国風土記』が語る古代出雲」(2023.11.4 於:有楽町朝日ホール)にて報告した(「『常陸国風土記』VS『出雲国風土記』)。 さらに、20世紀初~中期に活躍したドイツの日本学者ヴィルヘルム・グンデルトの日本研究―特に仏教関連の業績という観点からまとめ、報告した(『千葉大学人文公共学府プロジェクト研究報告書』382』2024.2)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、刊行を予定していた英語版風土記入門書について、コロナ禍において打ち合わせ・調査が行えずに大幅に遅れてしまった。またそのほか日本国内の調査も、今年度より徐々に復活しているという状況である。
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今後の研究の推進方策 |
研究の遅れにより再延長を申請した。2024年度はこれまで滞っていた各地調査を行える予定である。また最終年度にあたるため、これまでの成果をまとめ、学会発表(古事記学会・上上代文学会など)および論文化するとともに、著書刊行の準備をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による出張が長期間行えなかったために、出張調査が滞ってしまったことに起因する。2024年度は調査出張および打ち合わせ等を複数回行う予定であり、この研究費をそれにあてる。
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