研究課題/領域番号 |
19K00329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 駒沢女子大学 (2023) 東京都市大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
大森 英実 (木内英実) 駒沢女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70331501)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 中勘助 / 教科書教材 / 児童文学 / 印度哲学 / JATAKA / 「マハーバーラタ」 / 国際性 / 第二次世界大戦 |
研究成果の概要 |
中勘助文学の戦前・戦中の教科書教材化が戦後の児童文学作品評価に繋がる流れが確認できた。児童文学作品の発想の源として1932年~63年連作『鳥の物語』、戦中・戦後雑誌発表の「鹿のお話」「兎のお話」「五色の鹿」はJataka典拠、「山がつとはしばみ」「涼しき蔭」は「マハーバーラタ」「ヒト―パーデシャ」典拠であることが判明した。The Giving Tree by Shel SilversteinやDie Konferenza Der Tiere by E.Kastnerと共通する動物・樹木が人間を憐れみ命を与えるという作品におけるヒューマニズムの原点は古代印度哲学にあり国際的視座の理由をなす。
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自由記述の分野 |
日本文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中勘助の戦中戦後の児童文学業績を、中勘助文学資料館所蔵の手書き資料及び旧蔵書から実証的に解明したこと、日本近現代文学研究の視座だけでなく印度學佛教學研究の視座から解明しその研究成果発表も日本近現代文学分野及び印度學佛教學研究分野に亘ったこと、児童文学という方法の優位性即ち戦中戦後の検閲制度のある出版統制下で体制批判につながる内容も「今昔物語集」等説話文学に依る古典的児童文学の形式を用いると思想性が目立たなかったこと、等長きに亘り「書きたいことを書く」という独自の姿勢を貫いた作家の創作の秘密に重層的に迫ることが出来た。戦争詩に繋がる戦中の創作姿勢を戦中の生活感に富む中勘助の作句から考察した。
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