本研究では、特にアジア太平洋戦争期を中心として、日本文化を海外に向けて発信、宣伝していく活動を具体的な日本の書物の広がりを通して明らかにしていった。特に日本の占領地、東南アジアの国々において、日本語や日本文化を教え、紹介し、広げていく活動を明らかにしている。海外に広がり、現在も現地に残っている日本語資料の調査は、戦時期において日本の対外文化工作に関わった人々や組織の具体的な姿を照らし出すことができる。さらに、本研究ではそうした海外に向けた日本の文化宣伝の中で、どのような日本文学作品が用いられ、活用されたのかを明らかにしていった。
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