研究課題/領域番号 |
19K00338
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研究機関 | 長崎外国語大学 |
研究代表者 |
松本 真輔 長崎外国語大学, 外国語学部, 教授 (60816841)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 聖徳太子伝 / 千厓文庫 |
研究実績の概要 |
本研究は、早稲田大学中央図書館千厓文庫所蔵本を中心とした聖徳太子伝の調査を手掛かりに、近世聖徳太子伝の一端を明らかにすることを目的としている。その成果の一環として、本年度は「《資料紹介》早稲田大学中央図書館千厓文庫蔵『太子伝玄語記』(二)」(『古典遺産』七〇号、二〇二一年六月)を得た。前年度、同誌に掲載した翻刻の後半部である。これにより『太子伝玄語記』の本文を全て紹介することができた。同書は作者、成立年ともに未詳の聖徳太子伝で、こなれた内容から中世ではなく近世のものと思われる。文章にはかなり口語的な要素が含まれ、修正や書き入れも見られるため草稿的な要素が強い。また、親鸞『皇太子聖徳奉賛』の引用が見られるなど浄土真宗の影響下に成ったものと思われ、末尾には種々の中世聖徳太子伝に見られる善光寺如来と聖徳太子がやりとりしたとされる和歌が記されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、早稲田大学中央図書館千厓文庫に蔵された近世聖徳太子伝の書誌的資料調査を目的としているが、これでに「《資料紹介》早稲田大学中央図書館千厓文庫蔵『太子伝玄語記』(一)」(『古典遺産』六九号、二〇二〇年五月)、「《資料紹介》早稲田大学中央図書館千厓文庫蔵『太子伝玄語記』(二)」(『古典遺産』七〇号、二〇二一年六月)を得ている。ただし、感染症の流行で現地調査がままならず、研究は遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の進展については、移動制限も少しずつ緩和の方向に向かっており、勤務校とも相談の上、県外移動を伴った調査も行えるのではないかと期待している。一刻も早く感染症の流行が収まることを願うばかりである。活動が再開でき次第、従来の作業を継続し、資料紹介を中心とした成果報告を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、早稲田大学中央図書館千厓文庫所蔵本の調査が主たる作業で、研究費の用途としては、長崎・東京間の旅費が主たるものとなる。しかしながら、感染症の流行による移動制限(勤務校からの要請と自身の健康維持)のため、当該文庫および関連資料の調査が全く行えず、従来収集した資料の整理などが作業の中心とならざるをえず、繰り越しが発生することとなった。感染症については、いつ終息しいつ流行するかの予想が立てづらいのだが、今後は、感染症の終息を見極めた上で研究を継続していきたい。
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