新型コロナの影響を強く受けたものの、当初の計画通り、歌書を対象とした絵本と絵入本の基礎的研究を推進することができた。一部にデジタルデータによる調査を含む上に、諸般の事情による未見の書目も一定程度残ったが、種々の関連古典籍の収集も叶い、これでおおむね絵入歌書刊本の全容を把握できるものと考える。問いを生むこの基礎データを基盤として、今後はより全円的な江戸の絵入本研究へと発展させたい。 文献資料ワークショップでの発表に留まらず、国際学会EAJSでのパネル発表と英文論文の公刊など国際性を強く意識した研究成果を出せたことも特記しておく。
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