研究課題
基盤研究(C)
本研究では、勅撰三漢詩集を中心とした古代日本漢詩集の文献学的研究に取り組んだ。『懐風藻』については、これまでの調査に基づいて、現存本文のほぼ全てのデータを網羅した『校本懐風藻』にまとめた。現存伝本の原本調査と本文収集を計画していた勅撰三集については、コロナ禍によって計画通りには調査ができなかったが、最初の勅撰漢詩集である『凌雲集』については、45本の現存伝本のうち未紹介伝本も含めて12本の調査と収集を行うことができた。
日本文学
『校本懐風藻』の作成は、わざわざ所蔵地に行かなくても『懐風藻』の本文の情報を一覧することができる。そのため、『懐風藻』の研究や古代日本の漢詩文の研究を進展させることにつながる。研究の進展は、学校教育ひいては社会において日本漢詩に対する興味関心を喚起し、理解を深めることにつながるという意義がある。勅撰三漢詩集の文献学的研究の成果は、研究が十分とは言えない『凌雲集』『文華秀麗集』『経国集』の本文研究を進めることになるという意義がある。