研究課題/領域番号 |
19K00344
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西山 康一 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (40448212)
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研究分担者 |
庄司 達也 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 教授 (60275998)
竹本 寛秋 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科】, 准教授 (20552144)
掛野 剛史 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (00453465)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小天地 / 薄田泣菫 / メディア研究 / 日本近代文学 / 関西 / 明治 / 地方文壇と中央文壇 / 雑誌 |
研究実績の概要 |
本年度(2020年度)は、本研究の活動2年目ということで、本研究ための基盤づくり(研究に必要な情報収集)から、それを使った本格的な研究(研究対象である『小天地』の内容分析)の方へ、少しずつシフトしていった。 具体的な活動としては、本年度はコロナ禍の影響で移動や対面が制限されたため、前年度のようにフィールドワークや資料調査、また直接会って研究報告会や打ち合わせをするといったことができなかった。しかし、その分6月27日・8月24日・12月27日・3月29日の計4回、オンライン会議ソフト「Zoom」を使ってメンバー全体が集まる機会を設けて、本研究課題における研究を進めた。前年度、本研究の研究対象である雑誌『小天地』の所蔵先の確認・リスト化し、それに基づいて『小天地』全巻の画像データを作成したが、本年度はそれを利用してメンバー各自がそれぞれの視点から『小天地』を分析し、上記のオンライン会議でその分析・検討結果を発表した。そして、それを踏まえて他のメンバーとの間で質疑応答をし、より分析・検討の精度をあげるということを繰り返した。また、それとともに上記オンライン会議では、本研究の今後の方向性やスケジュールなど、研究計画の見直し・検討も行なった。 本年度の活動における具体的な成果としては、前年度からの『小天地』研究の基盤となる情報収集をふまえ、その成果の一端として、従来の研究以上に整備された完全な総目次を作成し、大学紀要にて公開した。その他、コロナ禍の影響もあって調査が行き届かなかった分、公開に至った成果が多少少なかったかもしれないが、本研究メンバー各自ができる範囲で独自に研究を進め、時に学会誌や他の研究会等でそれに関連する成果を公開しているのは、以下の「研究発表」に記している通りである。 また、次年度への準備として、最終的な研究成果の出版を見越して、その計画を出版社も交えて検討してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度(2020年度)は本研究課題の活動2年目ということで、本研究ための基盤づくりから、その成果を利用して本格的な研究へ少しずつ移行していく期間として、当初より位置づけられていた。 そして、実際に本年度の成果としては、前年度からの『小天地』に関わる情報収集を踏まえて、従来の研究以上に整備された完全な総目次を作成して公開した。また、やはり前年度から本研究の基盤づくりとして作成した『小天地』全巻の画像データをメンバー全員が共有し、それを利用してメンバー各自がそれぞれの興味関心の下に『小天地』を分析して、それをオンライン会議で他のメンバーに報告・討議することをくりかえし、『小天地』の研究を深めていった。コロナ禍による研究への影響もある中、このように本研究メンバー各自ができる範囲で独自に研究を進め、中には学会誌や他研究会でそれに関連する成果を発表したりもしている。さらにいえば、出版社との話し合いの下、次年度には研究成果の出版も決まっており、また学会等での研究成果の発表も予定している。 以上のことから、進捗状況としてはおおむね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度(2020年度)は本研究ための基盤づくりから、本格的な研究へ少しずつ移行していく年であったが、次年度(2021年度)は本研究の最終年度ということで、より本研究課題である『小天地』の分析・検討を深め、その成果を公開していく年としたいと考えている。 具体的には、現在、出版社を交えて本研究における研究成果の出版を実際検討しており、また学会等での研究成果の発表も予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度(2020年度)はコロナ禍の影響によって移動の制限があり、思うように現地調査、あるいは各地にある資料調査に行くことが出来なかった。それにより旅費が消化されなかったことがあるとともに、このコロナ禍の状況が次年度も引き続くことに備え、各地に資料調査に出かけなくても資料が見られるよう、次年度の予算と合わせて高額な資料の購入を予定し、あえて予算を次年度に繰り越した面もある(各地の図書館・資料館等にしかない=簡単に手に入らない資料は買うとなると、どうしても高額になり、1年度分の予算では賄えないため)。 以上の軌道修正は、本研究課題を計画・申請した際には予想できなかったことであり、昨今のコロナ禍の状況に即して臨機応変に対応した結果、次年度使用が生じた次第である。
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備考 |
庄司達也「大阪毎日新聞社と菊池寛、芥川龍之介」(『3研究グループ合同 第2回公開勉強会』(2021年1月31日)にて口頭発表)。
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