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2022 年度 実施状況報告書

浄土教関連和歌の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K00352
研究機関上智大学

研究代表者

山本 章博  上智大学, 文学部, 教授 (70733955)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード浄土教 / 和歌 / 慈円 / 西行法師 / 一遍上人 / 藤原家隆 / 時宗
研究実績の概要

今年度は、昨年度中世文学会大会で口頭発表した「「家隆家四十八願勧進和歌」と慈円」を再検討した上で原稿化し、学会誌『中世文学』第67号に投稿、掲載された。また、この続編として、慈円の和歌表現の分析に特化した論文「慈円終焉の歌と西行―『拾玉集』「四十八願勧進和歌」読解―」が、西行学会の学会誌『西行学』第13号に掲載された。この二篇を通じて、「家隆家四十八願勧進和歌」に関する情報を網羅的にまとめ、同時にそこでの慈円の和歌表現の詳細な分析を行い、西行和歌との密接な関係を明らかにした。ここに西行から慈円、慈円から家隆という浄土教関連和歌の流れを見出すことができる。この家隆・慈円を中心とした研究の延長では、慈円「賀茂百首」、家隆終焉の際によまれた四天王寺での詠歌の表現分析を継続して行っている。
また、一遍上人の和歌を集成し「一遍上人和歌集成稿」としてまとめ『上智大学国文学科紀要』第40号に発表した。一遍上人の和歌は江戸期に刊行された『一遍上人語録』にまとめられているが、この『一遍上人語録』は刊行年によって歌数に違いがあり、その相違の詳細について調査し明らかにした。その上で、広く散在する『一遍上人語録』に収録されない一遍の歌を可能な限り集成してまとめた。一遍上人の和歌の所在が検索できるように、本文とともに他出文献一覧、校異、索引を備えた。この集成作業を通じて、一遍上人の和歌の受容の実態が浮き彫りとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は特に、一遍上人の和歌の集成に取り組み、まとめることができた。
「家隆家四十八願勧進和歌」についても、2本の論文によって、その性格を明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

西行、慈円、家隆、一遍等、浄土教に関わる歌人達の個別の状況については、主要な関連作品について明らかになりつつある。これを中核に据えて、平安期から江戸期にかけての浄土教に関わる和歌の歴史の全体像を見通したい。

次年度使用額が生じた理由

地方図書館等所蔵資料の出張調査を十分に行うことができなかった。次年度は、複数回の出張調査を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 一遍上人和歌集成稿2023

    • 著者名/発表者名
      山本章博
    • 雑誌名

      上智大学国文学科紀要

      巻: 40号 ページ: 49-76

  • [雑誌論文] 「家隆家四十八願勧進和歌」と慈円2022

    • 著者名/発表者名
      山本章博
    • 雑誌名

      中世文学

      巻: 67号 ページ: 100-110

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 慈円終焉の歌と西行ー『拾玉集』「四十八願三首和歌」読解ー2022

    • 著者名/発表者名
      山本章博
    • 雑誌名

      西行学

      巻: 13号 ページ: 128-137

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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