研究課題/領域番号 |
19K00353
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
中丸 宣明 法政大学, 文学部, 教授 (80198184)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 新聞 / 読売り / 書生節 / 唄本 |
研究実績の概要 |
明治初期中期における新聞販売の実態調査を行った。新聞の拡販に貢献した、新聞呼び売り組織の実態、具体的には書物行商社=日本館の活動を調べ、その組織が同時期の書生節(やがては演歌に成長する)の組織と類似する事を論証した。そして、それらの出版・販売活動が、当時のいわゆる赤本屋と結びつき多くの出版物を頒布した。赤本屋とは、江戸期の戯作類(江戸で出版された地本)の伝統を受け継ぐ存在であったが、そこで出版販売された書籍の中で、特異な存在に「唄本」がある。それは書生節の伝統の上にあったが、おりからの家庭小説ブームにのり、「金色夜叉」「不如帰」「乳姉妹」などをもとにした新体詩を数多く出版した。それらは時代の大きな物語となり、自然主義などの「純文学」にも大きな影響を与えたことを論証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で予定した資料調査が進まず、古書や古文書の収集に困難が出来たため。また、国文学研究資料館の体制が変化し、研究協力(具体的には文献資料調査)が中断したため調査に遅れがでたため。
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今後の研究の推進方策 |
明治30年代の家庭小説の流行の中で、新聞の附録や赤本就中「唄本」のなかの「文学」の実態を「金色夜叉」「不如帰」「乳姉妹」などの作品が具体的にどう変容し、どう受容されたかを実証する。また、「人情世界」などの新聞販売に関係する出版物がどのように衰退し、何位に受け継がれたかを、講談の速記本の様態を通して、具体的には大川屋などの講談専門出版社の出版物との比較の上、検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が遅延している、事情と同様の理由による。
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