研究課題/領域番号 |
19K00363
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
堅田 陽子 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30804520)
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研究分担者 |
中島 泰貴 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10332024)
ワクダ マサキ 愛知淑徳大学, 愛知淑徳大学, 客員研究員 (40780169)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日本近世文学関連文献 / 日本近世史 / 日本史料研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、石橋家「家乗」の全文を対象に、本史料に記される事項を整理し、索引を作成することを目的とする。「家乗」は寛永19年(1642)から元禄10年(1697)までを記録する日記であり、記録者は、紀州徳川家の付家老三浦家の儒医として侍医・侍読を務めた石橋生菴である。「家乗」の特徴は、その記録内容の多様さにある。年中行事や職務内容といった公的な事柄だけでなく、当時世上を賑わせた事件や文学・芸能にいたるまでさまざまな種類の記事を収録し、関係する研究分野は多岐にわたる。「家乗」は影印版が既に刊行されており、本文は参照しやすい状態にある。しかしそのテキストは、漢文体と、変体仮名で記述される和文体が混在する大部のものであり、本書から特定の情報を収集したい場合には、そうしたテキストを都度確認しなければならないという難しさがあるため、「家乗」が有する情報を網羅的かつ簡便に検索できるよう、索引を作成したい。情報量の多い「家乗」から、研究対象に関係するキーワードをもとに情報が検索できるようになれば、近世前期の日本社会について、より広く深いデータが得られるようになると考えられる。 2022 年度は、過年度より継続している、影印版(『紀州藩石橋家家乗』和歌山大学紀州経済史文化史研究所編、清文堂、1984年刊。原本は和歌山大学紀州経済史文化史研究所所蔵)を用いた石橋家「家乗」17 冊の翻字を実施し、作成したテキストデータは全体のおよそ80%程度となった。また、そのテキストデータをもとにしたデータベースの構築方法について、情報工学を専門とする田島孝治(岐阜工業高等専門学校准教授)と議論し、方向性を確定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度・2021年度、新型コロナウィルス感染拡大防止関連の対応によって研究時間の確保が極端に難しく、本研究の主要作業である翻字(テキストデータ作成)が大幅に遅れた。2022年度中にテキストデータ作成の完了には至れず、研究全体の進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
【2023年度】『家乗』全5冊のテキストデータ入力を完成させる。研究代表者・研究分担者で協議し、索引項目と関連語句の整理を行う。情報工学を専門とする田島孝治(岐阜工業高等専門学校准教授)と連携し、データベース構築にあわせてテキストデータの校正等を行い、『家乗』の索引を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度から続いている新型コロナウィルス感染拡大防止対応関連の業務増加により、研究が遅れていることで、支出の機会が全体的に減っており、次年度使用額が生じやすい状態にある。2023年度はデータベース構築に関連するアルバイト謝金支払、各種調査旅費の使用など、支出が増える予定である。
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