研究課題
基盤研究(C)
歌舞伎と人形浄瑠璃は日本文化における重要な伝統芸能である。『弘前藩庁日記』の享保期〈1716~1735〉の歌舞伎・人形浄瑠璃関係記事を通読し、享保1年~8年〈1716~1723〉における歌舞伎・人形浄瑠璃記事を摘出してその翻刻を終え、学界への紹介の準備を調えた。さらに周辺の絵画資料・文献資料を発掘・購入して、劇場ではなく私邸での座敷芝居という上演形態の盛行を発見した。また台湾やイギリスなど、諸外国における座敷芝居の存在を発見し、比較研究するための準備を調えた。
日本近世演劇
本研究は、享保期〈1717~1736〉という日本演劇史上の未解明の時代について、歌舞伎・人形浄瑠璃の演目・役者・演技・演出などの上演実態を明らかにするものである。享保期は近世演劇史研究の暗部となっている。そこに照明を当てることによって、日本演劇史の未解明部分を明らかにするのが、本研究の学術的意義である。さらにその実態を、現代日本の演劇文化と比較することによって、将来の日本文化のあるべき姿を提示するのが、本研究の社会的意義である。