本課題の前提となる『水滸伝』諸版本の関係と本文変化の状況について詳細な考察を加え、あわせて『水滸伝』と密接な関わりを持つ『金瓶梅』の作者を解明した著著『水滸伝と金瓶梅の研究』を2020年に汲古書院から刊行した。 同書の成果を踏まえて、本課題の目標である『詳注全訳水滸伝』の執筆を進め、2021年8月に第一巻、2022年4月に第二巻を刊行した。同書は、主要版本間の異同をすべて指摘して異同の生じた原因を考察し、容与堂本・金聖歎本の批評を全訳し、語彙や出典、官職制度などについての詳細な注を施した上で全文を翻訳したものである。 他方で、主催する敦煌変文研究会の成果として訳注を多数共著で発表した。
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