研究課題/領域番号 |
19K00379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山口 守 日本大学, 文理学部, 特任教授 (70210375)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 華語語系文学 / 華語創作 / マイノリティ / 非漢族 / 母語 / 文字と音 / アイダ・プルーイット / Chinese-ness |
研究成果の概要 |
令和元年から令和3年度は研究課題の理論面を中心に、特にSinophone Literature概念における分岐について考察を行った。その中で、これまで華語語系文学理論の基礎を築いてきた王徳威と史書美の二人の理論的分岐に関してある程度明確化できたと考える。さらに各地の華語創作実践例を検証し、その問題点を剔出する作業を進めた。また研究全期間を通して、華人のChinese-nessを相対化するため、アメリカ人から見たChinese-nessについて、アイダ・プルーイットの例から検証を進めた。最終年度にその研究を書籍化できたことが本課題研究の大きな成果の一つと言える。
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自由記述の分野 |
中国語圏文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が学術的に寄与する点を挙げれば、まず日本の研究界において認知途中の華語語系文学Sinophone Literatureについて、研究のプラットフォームにあたるその理論体系に関して、問題点を剔出しながら整理を進めたことが大きな意味を持っている。その過程でChinese-nessの陥穽にフォーカスしながら、王徳威と史書美の理論的分岐を鮮明に指摘することができた。これに加えて中国、台湾、マレーシア等各地の華語創作実践のケーススタディを進めることができたことで、理論の実証よりも、理論の深化に役立つ研究を展開できたことが、本研究の意義をいっそう高めたと考えている。
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