研究課題/領域番号 |
19K00382
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
三須 祐介 立命館大学, 文学部, 教授 (60339653)
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研究分担者 |
松浦 恒雄 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (20173792)
藤野 真子 関西学院大学, 商学部, 教授 (20332653)
田村 容子 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (10434359)
中塚 亮 公益財団法人東洋文庫, 図書部, 奨励研究員 (60839679)
大野 陽介 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 研究員 (50915460)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中国演劇 / 上演記録 / 京劇 / 地方劇 / 民間 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続きコロナ禍下における制約や、日常的な教学業務負担の増大などにより、研究の進捗に影響を与えた。また研究代表者の私的な事情により、メンバーを主体とするオンライン研究会の開催や、メンバー全体で進めている翻訳作業にも影響があったが、各自の研究は一定程度の成果をあげることができた。 まずメディアとしての演劇資料研究としては、立命館大学アート・リサーチセンターを拠点とした戯単(中国演劇パンフレット)のデジタル・アーカイブ化、メタデータ入力は一定程度の進捗があった。立命館大学内の研究プロジェクトで予定していた21年度末のオンライン展覧会「めぐりあいアジア」において、「『秋海棠』をめぐる旅」と題した展示を行った。日中戦争期の小説『秋海棠』が演劇や映画などさまざまにアダプテーションを展開していた状況を、中国演劇パンフレット資料だけでなく関連の映画パンフレットや原作の小説版本などを収集、デジタル化したうえで展観したものである(構築中のデジタルアーカイブの一部公開を含む)。 もうひとつの研究の柱であるフィールドワークを主体とした民間演劇研究は、傅謹氏の中国民間劇団についての先駆的著作『草根的力量』の翻訳作業に軸足を移したが、21年度末までにほぼ翻訳は完成したものの、訳語の調整や訳注、校正作業などには着手できていない。 また、研究メンバーが母体となっている京劇史研究会を2回開催し、研究発表や翻訳作業打合せなどを行った。研究発表の内容は以下のとおりである。邱昱翔氏「植民地台湾における紙芝居研究の現状」(21年5月15日)、大野陽介氏「農村劇団の一年:清末から民国期を中心に」(21年7月31日)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍下におけるさまざまな制約及び日常業務負担の増大に、研究代表者の私的な事情も加わり、メンバー全体で進める作業(傅謹氏著作翻訳)を完全には終えることができなかった。また上演資料のアーカイブ化も、21年度末にオンライン展覧会に参加して一定程度の成果を収めることはできたが、当初予定していたところまでは到達できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は21年度末で終了する予定であったが、上述のように進捗に遅れがあるため、22年度末まで期間を延長してさらに研究を進めることとした。特に傅謹氏の著作翻訳については、下訳をすべて終わらせた後の校正作業までをできる限り22年度末までに完成させることを目指したい。また、上演資料アーカイブについても少なくとも劇種を限った形などで部分公開を目指せるように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
21年度末終了予定の研究課題であったが、コロナ禍下における様々な制約や研究代表者の私的な事情により、予定した研究費が使いきれず、研究期間を22年度末まで延長することになった。22年度は図書資料費を主に、上演資料のアーカイブ化に関わる費用などに使用する予定である。
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