今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの感染拡大により、英国での現地調査の目処が立たないため、2020年度は理論的分析に注力する予定である。具体的には、受容論という名称で包含し得る多様な学術実践を批判的に再検討する。受容論の外縁をどこに定めるかは意見の分かれるところではあるが、本研究では1920年代のI. A. Richardsを起点とし、1960年代 から70年代にかけて展開した複数の「読者反応理論」を経て、近年の読書会研究、とくに認知言語学と社会学のアプローチを統合するような研究(David Peplow et. al., _The Discourse of Reading Groups: Integrating Cognitive and Sociocultural Perspectives_, Routledge, 2016など)や、エスノグラフィー(Bethan Benwell, _Reading across Worlds: Transnational Book Groups and the Reception of Difference_, Palgrave Macmillan, 2015など)までを射程に置く。その成果は、2020年12月刊行予定の紀要『言語文化』に投稿する。
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