研究課題/領域番号 |
19K00403
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松永 典子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (00579807)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | フェミニズム / モダニズム |
研究実績の概要 |
本課題は、第一波フェミニズムの終焉から現代までの時代にポストサフレジズム(イギリス男女同権参政権獲得以降)という名を与えて一連の継続する時代として捉えることによって、モダニズム、冷戦、新自由主義を包括的に理解し、イギリス女性文学のとくに社会主義運動の成功と失敗を系譜的に、また、グローバルな現象として考察するものである。とくに英米日のフェミニズム文学および文化に注目する。これによって本課題が目指すのは、モダニズム以降の英文学における連帯と分断の言説構造を解明することである。 2019年度の研究成果の中心となったのは研究発表、研究論文、研究会の開催である。まず研究発表については、日本英文学会の年次大会のシンポジウム「Literature Is Ordinary?: 20世紀の英文学と「ふつうの人びと」」、Modernist Studies in Asia Networkの年次大会、Japan-Korea International Virginia Woolf Conferenceにて研究発表をおこなうとともに、他の参加者による英文学およびフェミニズム研究発表に触れ、研究者たちと情報交換をおこなった。また、研究論文については、『ヴァージニア・ウルフ研究』において、アールデコを切り口に20世紀前半の産業と文化の変容を探る特集号に論文を寄稿した。研究会については、女性文学をめぐる研究会を外部の講師を招いて開催した。日本の少女小説におけるイギリス文学の影響を探る講演と、フェミニズム・ムーブメントとしてのジン(同人誌の一形態)を考察する講演を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展していると考える理由は、ほぼ予定通りに、学会報告・論文の執筆・講演会の開催が、実現できたからである。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度においては、本研究課題の当初の年度計画に従って、作品分析、理論研究の継続、翻訳の完成、論文執筆をおこなう。ただし、新型コロナウィルス感染症の影響から研究代表者による海外渡航調査と、海外からの研究者の招聘については見直すことが必須であることが分かった。そのため、2020年度は、この点について情勢を見極めながら当該研究者と予定の再調整をおこなう予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月に予定していた学会出張が新型コロナウィルス感染症感染のため、学会そのものが中止となったため、次年度使用額が生じた。これについては次年度の調査費として使用する予定である。
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