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2023 年度 実績報告書

冷戦期の日米文化外交と国民文学の必要性―国民作家フォークナーの創生―

研究課題

研究課題/領域番号 19K00404
研究機関中京大学

研究代表者

森 有礼  中京大学, 国際学部, 教授 (50262829)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードフォークナー / 日本訪問 / アメリカ文化外交 / 冷戦 / Faulkner at Nagano / 『ゴジラ』(1954) / 太平洋戦争 / 国民的トラウマ
研究実績の概要

2023年度の研究成果として、論文1本、研究発表2件、及び講演1件がある。研究論文「「奇想」のフォークナー―詩人から作家へ、そして日本での足跡―」(『中京英文学』44号)は、5年に亘る研究成果の総括として、フォークナーの日本訪問に代表される冷戦期アメリカの文化外交と、そのために行われた日米両国における「国民作家」としてのフォークナーの評価の形成との関連を論じた。これに付随する研究発表として、シンポジウム「ウィリアム・フォークナーの日本訪問余滴――冷戦期文化外交と日本人作家」において「フォークナー訪日の足跡と意義―何が彼に求められていたのか」、及びその補完的成果として研究発表
「太平洋戦争をいかに表象するか:「国民映画」としての『ゴジラ』(1954)」を行った。また上記論文の元となった講演「奇想のフォークナー」を行った。また2019~2023年の成果としては、冷戦期の日本におけるフォークナーの受容を扱った共著『ウィリアム・フォークナーの日本訪問―冷戦と文学のポリティクス』(相田洋明編著, 2022)、及び論文「フォークナーの日本訪問と、アメリカ文化外交における「戦後」―フォークナーの「日本の印象」及び「日本の若者へ」を『ゴジラ』(1954)と共に読む―」(『国際英語学部紀要』24号, 2019)及び「日米における国民作家フォークナーの創生―Faulkner at Naganoからみる合衆国の文化外交戦略とその受容―」(『中京英文学』41号, 2021)がある。
これらの研究を通じて1955年のフォークナーの日本訪問が、米国文化使節としての外交政策に則ったものであること、その訪問が日本人の太平洋戦争のトラウマに対する文化セラピーとして機能し、それが今日に至るフォークナー研究の母体となったこと、及びそれらに対処したフォークナーの文化人としてのペルソナの多義性について証明できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 「奇想」のフォークナー―詩人から作家へ、そして日本での足跡―2024

    • 著者名/発表者名
      森 有礼
    • 雑誌名

      『中京英文学』

      巻: 44 ページ: 11-43

    • 査読あり
  • [学会発表] 太平洋戦争をいかに表象するか:「国民映画」としての『ゴジラ』(1954)2023

    • 著者名/発表者名
      森 有礼
    • 学会等名
      日本比較文学会 第54回中部大会 (於中京大学)※個人研究発表
  • [学会発表] フォークナー訪日の足跡と意義―何が彼に求められていたのか2023

    • 著者名/発表者名
      森 有礼
    • 学会等名
      日本比較文学会 第54回中部大会シンポジウム「ウィリアム・フォークナーの日本訪問余滴――冷戦期文化外交と日本人作家」 (於中京大学)
  • [学会発表] 「奇想」のフォークナー2023

    • 著者名/発表者名
      森 有礼
    • 学会等名
      市立長野図書館講演会 長野を訪れたノーベル賞作家ウィリアム・フォークナー第2部 フォークナー研究の苦労と楽しみ (於長野市立長野図書館)
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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