研究課題/領域番号 |
19K00407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
岩井 学 甲南大学, 文学部, 教授 (70369859)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 第一次大戦時の芸術 / D. H. Lawrence / Algernon Blackwood / The Starlight Express / A Prisoner in Fairyland / class representation |
研究成果の概要 |
第一次大戦初期に構想されたヴァイオレット・パーン脚本、エドワード・エルガー作曲の音楽劇『スターライト・エクスプレス』およびその原作アルジャーノン・ブラックウッド『妖精の国の囚われ人』、また大戦末期に執筆されたD・H・ロレンスの戯曲『危機一髪』を中心とし、20世紀初頭のイデオロギーや第一次大戦時のナショナリズム、また階級表象といった観点から分析した。一見すると現実世界とは関係のない娯楽作品である『スターライト・エクスプレス』や、時代に背を向けていたロレンスのような作家のテクストにも、第一次大戦時におけるイギリスの置かれた状況が図らずも刻印されているのである。
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自由記述の分野 |
20世紀イギリスの文学と文化
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一次大戦期のファンタジーや娯楽作品など、戦争とは一見関係のないこれらのテクストに刻まれたイデオロギーの痕跡を分析し、芸術作品とイデオロギーとの単純化できない複雑な相貌を明らかにすることで、現代の我々が社会の諸相を読み取るときの一助とすることができる。無垢を装った作品に反動的なイデオロギーはどのように入り込むのか、一見楽観的な作品の中に、戦時の状況や厭戦気分はどのように入り込んでいるのか、歴史的な背景や文化的な諸相を踏まえ過去の作品を分析することは、現代社会に対する我々のリテラシーを高めることに繋がるのである。
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