研究課題/領域番号 |
19K00410
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研究機関 | 南山大学短期大学部 |
研究代表者 |
中田 晶子 南山大学短期大学部, 英語科, 教授 (10198111)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ナボコフ / ウィトゲンシュタイン / G. E. ムーア / アメリカ文学 / 分析哲学 / 語られぬもの |
研究実績の概要 |
ウィトゲンシュタイン、G.E.ムーアを中心とした分析哲学の著作と関連文献の収集と内容の整理・分析を実施した。研究成果発表の場であると共にさらなる研究への足場ともなる国際シンポジウムの計画を進めた。 海外の研究協力者、ゾラン・クズマノヴィチ教授とブライアン・ボイド教授からは、既に申請時において国際シンポジウムへの参加について内諾を得ていたが、それぞれの研究発表の内容について協議し、シンポジウムの大枠を決定した。国際シンポジウムの日程調整を行い、2021年5月中旬に実施することとなった。国内の研究協力者に関しては、シンポジウムの内容確定を承けて、現在調整を進めているところである。 科研費は、予定していた図書の購入や文献の収集に使用した他、資料の整理や分析に必要なノート型PCも予定していた機種を購入した。 ナボコフに関する研究業績としては、ポーランドで出版されたナボコフの記憶をテーマとした論集で『透明な対象』論を公刊することができた他、日本アメリカ文学会の会誌に秋草俊一郎氏のナボコフ論『アメリカのナボコフ―塗りかえらえた自画像』の長文書評を寄稿した。研究発表としては、第5回ナボコフ短篇読書会「移動祝祭日」において短篇「翼の一撃」について発題を行った。 予定外の研究活動としては、6月にメキシコで実施されたジョイスの国際学会での研究発表があった。研究対象はジョイスと村上春樹の短篇であり、直接ナボコフに関わるものではなかったが、それぞれの作品における「語られぬもの」の比較は、本研究課題とも関わりを持っている。また、この研究発表は、本研究成果の主要な発表の場として予定している国際シンポジウムのスピーカーの一人、クズマノヴィチ教授との共同研究の形を取って実施したものであり、現地において本研究についての計画を進めることができたことは予想外の大きな成果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外における資料収集や調査を予定していたが、勤務先の学部(短期大学)が年度末に閉学を迎え、責任者である役職についていたため閉学に関する業務の都合があったためと新型コロナウイルスの蔓延のために、海外出張が困難となり、海外での作業ができなかったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
可能であれば、海外での資料収集・調査を実施するが、新型コロナウイルスの状況によっては、海外での資料収集や調査によらず、国内で可能な文献研究や分析哲学・応用哲学に関する情報収集を中心とする方針変更もあり得る。 2021年5月に開催が予定されている国際シンポジウムにおける分担や研究発表の詳細な内容についてボイド教授、クズマノヴィチ教授とさらに具体的な検討を行い、国内協力者を決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外における資料収集や調査を予定していたが、勤務先の学部(短期大学)が年度末に閉学を迎え、責任者である役職についていたため閉学に関する業務の都合があったためと新型コロナウイルスの蔓延のために、海外出張が困難となり、海外での作業ができなかったことによる。 可能であれば、海外での資料収集・調査を実施するが、新型コロナウイルスの状況によっては、海外での資料収集や調査によらず、国内で可能な文献研究や分析哲学・応用哲学に関する情報収集を中心として進める。
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